介護業界のイメージを覆す!デイサービスで広がる50代からの新しいキャリア

介護業界のイメージを覆す!デイサービスで広がる50代からの新しいキャリア 採用されやすい仕事・業界情報

はじめに

「介護職」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは夜勤や重度の身体介助です。「体力的にきつそう」「自分にはできない」と感じる方も少なくありません。ところが、介護業界は一様ではなく、多様なサービス形態が存在します。その中でも私が長く採用に関わってきた**デイサービス(通所介護)**は、未経験者や50代以上の方にこそ適した職場だと感じています。

この記事では、まず介護業界全体の現状を数字で押さえ、その上でデイサービスの働きやすさや、私が採用を通じて見てきた未経験者の活躍についてお伝えします。


数字で見る介護業界の人材不足

厚生労働省の推計によると、2026年度には約240万人の介護職員が必要とされていますが、現状は約215万人にとどまっています。毎年およそ6万人ずつ増やさなければ追いつかない計算です。さらに2040年度には272万人が必要になる見込みで、長期的な人材不足は避けられません。

求人倍率を見ても介護職は3〜4倍と高く、求職者1人に複数の求人が集まる「売り手市場」となっています。仕事を探す側にとってはチャンスが多く、特に中高年層にとっては「未経験でも歓迎されやすい」状況が広がっているといえるでしょう。

一方で、介護職員の離職率は年間15%前後と、全産業平均を上回っています。夜勤や重労働に集中する施設では特に定着が難しいのが現状です。しかし、夜勤のないデイサービスのような職場では、比較的安定して勤務を続ける人も多く、50代・60代にとっては現実的に働きやすいフィールドだといえます。


人材不足は50代以上にとってチャンス

介護業界の慢性的な人材不足は、若い人材だけでは解決できません。そのため、これまでの社会経験や人柄を強みにできる50代以上の人材が強く求められています

社会経験の豊富さ

50代までに積み上げてきた責任感や対人スキルは、介護現場で大きな力になります。ご利用者やご家族への声掛け一つにも安心感を与えられるのは、人生経験を持つ中高年ならではの強みです。営業や接客で培った聞く力や気配りは、そのまま介護に活かせます。

安定して長く働ける傾向

介護現場の悩みの一つが「すぐ辞めてしまう人材」です。その点、50代の応募者は「定年まで腰を据えて働きたい」と考える方が多く、実際に長く勤めてくださる方が目立ちます。事業所にとっても安心して任せられる存在です。

人柄が利用者の安心感に直結

介護では若さや体力だけが評価されるわけではありません。特にデイサービスでは会話や交流が中心となるため、人生経験を踏まえた落ち着いた対応や共感力が、ご利用者様の安心につながります。年齢が近いスタッフがいることで「親しみやすい」と感じる利用者も多く、50代・60代はむしろ歓迎されるのです。

未経験者を受け入れる体制

「資格がないと介護はできないのでは?」と不安に思う方もいますが、実際には未経験からスタートできる施設が多くあります。入職後に介護職員初任者研修を受けたり、先輩職員に教わりながら一歩ずつ成長できます。未経験者が安心して働き始められる土壌が整っていることも、50代にとってチャンスとなっています。


デイサービスとは?介護の中の“明るい選択肢”

デイサービスは、自宅で暮らす高齢者が日中に通って過ごす施設です。入浴や食事の支援に加え、体操やレクリエーション、リハビリを通じて健康を維持・向上させることを目的としています。

特養や病院のように夜勤や重度介助が中心ではなく、日中だけ・比較的軽度の利用者が多いという特徴があります。勤務は朝から夕方までが中心で、施設によっては土日休みもあります。生活リズムを大きく崩さずに働けるため、体調管理や家庭との両立を重視する50代・60代には非常に適した働き方といえるでしょう。

また、デイサービスの大きな魅力は「介護予防」の側面です。利用者が体を動かし、笑顔を取り戻していく姿を間近で見られるのは大きなやりがいにつながります。「介護=衰えていく人を支える」というイメージを覆し、「元気を維持・回復するお手伝い」ができるのがデイサービスなのです。


私の採用経験から見た“未経験者が多い理由”

私がデイサービスで採用してきた職員の多くは未経験者でした。夜勤がなく体力的な負担が比較的軽いこと、そしてコミュニケーションが中心で資格がなくても始めやすいことが理由です。

応募者の前職をみると、販売職・営業職・飲食業といった接客経験者が多くいました。彼女たちは「夜遅くまでの勤務や土日のシフトで体調を崩し、更年期を迎えて生活リズムを整えたい」と考え、デイサービスを選んでいました。また「資格はないけれどお年寄りと話すのが好き」というシンプルな理由で応募してくる方も少なくありません。

実際に働き始めると、ご利用者様から「話しやすいね」「安心するよ」と声をかけられ、自分の強みを実感している姿が印象的でした。接客やサービス業で培った経験をそのまま活かしながら、新しいやりがいを見つける方が多かったのです。


デイサービスの1日の流れ(例)

デイサービスの1日は、温かく家庭的な雰囲気の中で進みます。朝は送迎から始まり、看護師や介護職員がバイタルチェックを行います。その後は体操やレクリエーションで体を動かし、昼食を共にします。午後は入浴支援やリハビリ、趣味活動などを行い、夕方には送迎車でご自宅へ送り届けます。

この流れを見ても分かるように、デイサービスは**「生活を支える+楽しい時間を一緒に過ごす」**ことが中心です。重度介助が多い施設とは違い、利用者と交流しながら働ける点が大きな特徴です。


働きやすさと課題の両面

デイサービスは夜勤がなく、定時で帰れる働きやすさがあります。ご利用者の笑顔や元気になる姿を間近で見られるやりがいも大きく、看護師や機能訓練士、生活相談員など多職種と協働できるため学びの機会も豊富です。

一方で課題もあります。入浴や排泄の介助が必要な施設もありますが、デイサービスで特に大きなテーマとなるのは認知症のご利用者への対応です。介護度は比較的軽い方が多いものの、認知症特有の言動への理解や柔軟な対応力が求められる場面は少なくありません。声掛けの仕方や環境づくり一つで安心感が変わるため、スタッフには根気強さと観察力が必要です。

また、経営面のリスクも意識しておく必要があります。近年はデイサービス事業所の数が減少傾向にあり、特に小規模事業所では経営基盤の弱さから不安定になるケースもあります。大手法人が運営する施設を選べば安定性は高まりますが、仮に転職や事業所の閉鎖があっても、資格を持っていればどこでも働けるのが介護職の強みです。


キャリアの広がり

デイサービスでの経験は、その後のキャリアに直結します。まずは働きながら介護職員初任者研修や実務者研修を経て、介護福祉士やケアマネジャーの資格取得を目指すことで、専門性を高めることができます。資格を持つことで、求人の幅が一気に広がり、将来的な安心にもつながります。

また、経験を積めばサービス提供責任者や生活相談員、管理者といった役職に就き、施設運営に携わる道も開けます。特にデイサービスは多職種連携の場でもあるため、リーダーシップや調整力を発揮しやすい環境です。

さらに、訪問介護や居宅介護支援といった他のサービスへキャリアを広げたり、法人によっては教育担当や人材育成、地域包括ケアとの連携業務などに関わる可能性もあります。こうした役割は単なる「介護の現場」から一歩踏み出したポジションであり、社会的なやりがいを強く感じられる仕事です。

50代からスタートしても遅すぎることはありません。むしろ、社会経験と人生経験をベースに、資格と実務経験を積み重ねることで、60代以降も現役で活躍し続けるキャリアを描けるのが介護の世界です。


まとめ|50代からの新しいキャリアに“介護”という選択肢を

介護業界は人材不足という課題を抱えていますが、それは裏を返せば50代・60代の未経験者にとって大きなチャンスです。特にデイサービスは夜勤がなく働きやすく、利用者と楽しく交流しながら介護予防に関われる、前向きなフィールドです。

これまでの社会経験や人柄を強みに、地域の高齢者を支える仕事は「最後の選択肢」ではなく「新しいキャリアの選択肢」になり得ます。もし今、働き方を見直したいと感じているなら、デイサービスという可能性をぜひ考えてみてください。

👉関連記事・おすすめ記事


🏷️ カテゴリ別ページ


🏠 トップページへ戻る

コメント

タイトルとURLをコピーしました