オンライン面接は、今や特別なものではありません。
採用担当者として12年間、数多くの応募者と面接をしてきましたが、50代・60代の方で「オンラインは苦手」と感じる方はまだ少なくありません。
「うまく接続できず、開始時間を過ぎてしまった」
「カメラ写りが暗く、実際より老けて見えた」
「音が小さくて、相手の反応が分からなかった」
こうしたトラブルは、ちょっとした準備と意識の差で確実に防げます。
この記事では、採用担当者の視点から“信頼される印象”をつくる具体的な方法とNG例をわかりやすく解説します。
オンライン面接で採用担当者が見ている3つのポイント
採用側がオンライン面接で重視しているのは、次の3点です。
- 事前準備ができているか(段取り力)
- 映像と声の印象が良いか(コミュニケーション力)
- 誠実で落ち着いた対応か(人柄・信頼性)
つまり、パソコン操作にどれほど詳しいかは関係ありません。
むしろ、予期せぬトラブルが起きたときに落ち着いて対処できる姿勢や、丁寧な段取りが評価されます。
採用担当者は「操作スキルの高さ」よりも、「相手を不安にさせない安定感」を見ています。
【準備編】面接前に必ず行うチェックリスト
オンライン面接で多いのは「接続トラブル」と「環境トラブル」。
どちらも事前チェックで防げるものです。
Zoom・Teamsの動作確認
- 招待URLが開けるか(メールのリンクを前日に確認)
- 音声とカメラがONになるか(Zoomなら「テストミーティング」で確認可能)
- Teamsは事前インストールを。ブラウザ版より安定します。
📌NG: 当日初めてアプリを開く
→ 「音が出ない」「映らない」と焦り、面接が台無しになります。
通信環境と周囲の音をチェック
- Wi-Fiが不安定ならLANケーブル接続がおすすめ
- 家族や同居人に「〇時から面接」と伝え、静かな環境を確保
- スマホ利用の場合は充電100%、通知OFF
📌NG: 背後から家族の声、テレビ音
→ 採用担当者からすると、「この面接時間を大切に考えていない」と映ります。
面接は数十分でも**“あなたの印象を判断する場”**。
音の管理ひとつで「配慮ができる人」と思われるかどうかが変わります。
カメラ位置と背景を確認
- カメラは目線と同じ高さに。ノートPCなら本や箱を下に置く
- 顔の下半分が暗くならないよう照明を調整
- 背景に余計なもの(洗濯物・冷蔵庫・ベッドなど)が映っていないかチェック
📌NG: カメラが下からの構図
→ 「上から目線」に見え、無意識に威圧感を与えます。
【環境編】印象を良くするカメラ写りと服装
照明は「正面から」+「少し高め」
顔の印象を決める最大の要素は「明るさ」。
天井の照明だけでは影ができ、疲れて見えることがあります。
自然光が入る昼間は窓の正面に座るのがベスト。
夜ならデスクライトやリングライトを正面やや上から当てると健康的に見えます。
💡1000円台の小型ライトで十分。
角度を少し上からにすると、シワや影が目立たなくなります。
服装は「リアル面接と同じ」意識で
オンラインだからといって油断は禁物。
画面に映る上半身がきちんとしていれば問題ありません。
- 男性:白シャツ+ジャケット(ネクタイは職種により調整)
- 女性:明るめのブラウスやジャケット。小物は控えめに。
📌NG: 部屋着・Tシャツ・柄物
→ カジュアルすぎる印象は、「仕事モードの切り替えができない人」と見られます。
背景はシンプルに。バーチャル背景も活用
部屋の片付けが間に合わない場合は、ZoomやTeamsの背景設定を利用しましょう。
- Zoom:「設定」→「背景とエフェクト」→画像を選択
- Teams:「…」→「ビデオ効果」→背景をぼかす or 画像追加
背景画像は、白・グレー・木目などの落ち着いたトーンを。
📌NG: カラフルな風景・観光地・派手な模様
【話し方編】オンライン面接で伝わる話し方
カメラを見る=面接官の目を見る
画面の相手を見て話すと、視線が下がり「うつむいている」印象になります。
話すときはカメラのレンズを見る。
これだけで、誠実さと自信が伝わります。
話すテンポは“ゆっくり・はっきり”
オンラインでは、音声が遅れることがあります。
1秒だけ間をおいてから話すと、聞き取りやすくなります。
- 1文を短く
- 要点を3つに絞る
- 話の最後に「以上です」とまとめる
📌NG: 話が長い・早口・途中で話をかぶせる
→ 「落ち着きがない」「伝える力が弱い」と感じられます。
リアクションを意識的に
相づち・笑顔・うなずきがあるだけで、画面越しでも温かみが伝わります。
採用担当者にとって一番困るのは「無反応で無表情な人」。
反応が見えないと、「この人はコミュニケーションが取りにくい」と判断されてしまいます。
声のトーンは“穏やかさ+明るさ”
大きすぎる声はマイクが割れ、小さすぎると聞き取れません。
「隣の部屋に届く程度の声量」を意識し、語尾をやわらかく下げると好印象です。
【NG事例】採用担当者が「惜しい」と感じたケース
- 例1:開始時刻に入れず5分遅れ
→ 「URLが開けませんでした」
📌前日の確認で防げるミス。準備力を疑われます。 - 例2:カメラ位置が低く、暗い映像
→ 「実際は明るい方でしたが、画面では疲れた印象に」
📌光と角度の調整だけで印象は大きく変わります。 - 例3:背景に洗濯物が映っていた
→ 面接官からは「自分がどう見られているかへの意識が薄い」との指摘。
📌オンライン面接は“自分をどう見せるか”が問われる場です。
相手の視点を想像できない人は、ビジネスでも相手目線を欠いた行動を取りがちだと判断されることがあります。
ほんの少しの配慮が、プロとしての信頼につながります。 - 例4:終了時に通信が切れてそのまま退出
→ 「あいさつが途切れて印象が薄れた」
📌最後まで落ち着いて終了することも評価の一部です。
【終了後】最後の印象を良くするフォロー術
面接が終わっても、まだ“評価タイム”は続いています。
終了時のあいさつ例
「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
オンライン面接という機会をいただけて感謝しています。」
この一言だけで、誠実さと丁寧さが印象に残ります。
退出後の確認
- 通信が切れても再入室しようとしない
- 退出後にメールをチェック(企業から案内が届く場合あり)
- 退出ボタンを押す瞬間まで笑顔を保つ
まとめ|オンライン面接は「段取り力」と「印象管理」で決まる
オンライン面接は、慣れの問題ではありません。
求められているのは**「準備力」×「印象の整え方」×「落ち着いた対応」**です。
- 前日に動作・環境をチェックする
- 明るく清潔感のある映り方に整える
- カメラ目線とゆっくりした話し方を意識する
年齢やITスキルよりも、**“相手を安心させる段取り力”**こそが信頼を生みます。
ZoomやTeamsは、無料で練習も可能です。
一度リハーサルをしておけば、本番は必ずうまくいきます。
50代・60代の経験と誠実さは、オンラインでも十分伝わります。
焦らず、落ち着いて。あなたの魅力をしっかり届けてください。
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