転職活動で最初の関門となるのが、履歴書と職務経歴書。
ここを突破できなければ、面接にすらたどり着けません。
しかも、50代・60代の転職では「年齢だけで判断されてしまうのでは」と不安を抱く方も多いでしょう。
しかし実際には、書き方・伝え方次第で結果は大きく変わります。
採用担当者として12年以上、何千枚もの履歴書を見てきた経験から、
「この人に会ってみたい」と思われる書類づくりのコツを具体的に解説します。
履歴書は“顔”そのもの。第一印象で9割決まる
履歴書はあなたの「名刺」以上に強力な第一印象ツールです。
企業は1人の募集に対して数十〜数百人の応募書類を受け取ります。
最初の10秒で“読む価値があるか”を判断しているといっても過言ではありません。
【ポイント】
- 手書きでもPC作成でもOK。ただし「見やすさ」「統一感」を最優先
- 和暦・西暦は途中で混ぜない
- 誤字脱字があると即NG(丁寧さ=仕事ぶりと見なされます)
- 写真は“清潔感重視”で明るく自然な表情を
写真ひとつで印象はガラッと変わります。
背景が暗い・古いスーツ・無表情だと、経験より前に“印象で損”します。
50代・60代こそ、明るく穏やかな表情を心がけましょう。
「若手活躍中」の企業は狙わない。そこは“中身勝負の土俵”ではない
求人広告で「20〜30代活躍中」「若手中心」「成長意欲のある方歓迎」などの表現を見かけることがあります。
このような企業は、採用の入り口で年齢層を絞っている場合が多いです。
表向きは「活気がある職場」「フラットな文化」と書かれていますが、
実際の採用現場では「50代以上は対象外」と暗黙の了解があることも少なくありません。
これは差別ではなく、採用戦略の違いです。
企業によって「伸ばしたい世代」「給与体系」「教育コスト」の設計が異なるため、
若手中心の企業に応募しても、実力以前に通りにくいのが現実です。
重要なのは、“勝負すべき土俵を選ぶ”こと
「若手活躍」と書かれた企業を省くのは、逃げではなく戦略的選択です。
限られた時間の中で、年齢よりも経験・人間力で評価される職場を狙いましょう。
たとえば以下のような表現がある企業は、シニア世代でも十分チャンスがあります。
| 求人表現 | 期待できる傾向 |
|---|---|
| 経験者歓迎/ブランクOK | 実務力を重視 |
| シニア・中高年活躍中 | 同世代社員が在籍 |
| 再雇用制度あり | 年齢層が幅広く安定志向 |
| 定着率の高さをアピール | 長期雇用を重視 |
こうした企業であれば、**中身勝負(経験・誠実さ・安定感)**ができます。
職務経歴書で「会ってみたい」と思わせる3つの鉄則
履歴書で第一印象をクリアしたら、次は職務経歴書。
ここでは、あなたのキャリアの“価値”をいかに伝えるかが勝負です。
① 仕事内容ではなく「成果」を書く
「〇〇の業務を担当」だけではなく、「〇〇を改善して△%効率化」「新人3名を育成」など、
具体的な数字・結果を示すことで、即戦力としての信頼を得られます。
② 一番伝えたい強みを冒頭に書く
最初の200〜300字で「自分がどう貢献できる人材か」を要約しましょう。
たとえば:
介護施設で10年以上の現場経験。スタッフ育成・業務改善にも携わり、
利用者満足度アンケートで継続3年90%以上を達成。
今後も培った経験を活かし、安定運営に貢献したい。
採用担当者は、冒頭で「この人がどんなタイプか」を判断します。
そこに“安心感”を与えられれば読み進めてもらえます。
③ 古い経歴は要約・直近を詳しく
20年以上前の経験は省略または1行でまとめてOK。
代わりに、直近10年の職務内容・実績・学びを詳しく書くと効果的です。
採用担当者が感じる「会いたくなる書類」とは
書類を見ていて、思わず面接に呼びたくなるのはこんな人です。
- 経験が整理されていて、読む側への“気づかい”がある
- 自分の言葉で目的や強みを語っている
- 誤字・脱字・フォーマット崩れが一切ない
- どこかに“人柄”がにじむ(趣味欄・志望動機などで)
逆に、「字が雑」「空欄が多い」「テンプレ感が強い」書類は、
どれだけ経歴が立派でも印象が弱くなります。
書類選考は、**能力テストではなく「誠実さのテスト」**です。
50代・60代はこの点で若手より有利。
丁寧で落ち着いた書類は、それだけで信頼を得られます。
履歴書に“人柄”を込める書き方
「特技・趣味・自己PR」欄は空白にしないようにしましょう。
ここには、あなたの“温度”を伝える力があります。
例:
趣味は早朝ウォーキング。10年以上継続しており、健康維持と気分転換を兼ねています。
体力面にも自信があり、長期的に安定して勤務できます。
家族との週末の料理作りが楽しみ。協調性を活かしてチームで働くことを心がけています。
小さなことでも、「継続」「誠実」「安定」など、
企業がシニア世代に期待している要素を自然に伝えるチャンスです。
🟦 もし文章がうまくまとまらないときは?
最近は、ChatGPTなどのAIツールを活用して履歴書や職務経歴書の下書きを作る人も増えています。
自分で考えた内容をもとに、「読みやすく整えて」と頼むだけで、
文体や言い回しを自然に直してくれるので、文章が苦手な人には大きな助けになります。
最終的な言葉はあなた自身で調整すればOK。
AIをうまく使うのも、現代の転職スキルのひとつです。
提出前チェックリスト
提出前に、以下をチェックしてください。
| 項目 | 確認 |
|---|---|
| 誤字・脱字はゼロか | ✅ |
| 写真は明るく清潔感があるか | ✅ |
| 和暦・西暦が統一されているか | ✅ |
| 経験を「成果」として表現しているか | ✅ |
| 趣味・特技に人柄が出ているか | ✅ |
| 志望動機が具体的であるか | ✅ |
まとめ|年齢を恐れず、“伝え方”で勝負する
50代・60代の転職で最も大切なのは、
「若い人にはない安心感」「経験に裏打ちされた信頼」をどう伝えるかです。
そのためには、
- 年齢でふるい落とす企業は省く
- 中身で評価される企業を見極める
- その上で、誠実さと経験を“見える形”で書く
- そして、AIを活用して職務経歴書をブラッシュアップする方法なども取り入れ、自分らしい言葉に整える。
これが、年齢を武器に変える履歴書の書き方です。
書類選考は「あなたの人生の要約」です。
焦らず、あなたの価値を丁寧に見せるだけで、面接の扉は必ず開きます。
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