はじめに|再婚9年目、ようやく見えてきた「我が家のリズム」
お金の話って、愛より難しいかもしれません。
9年前に再婚した当時、私は44歳、夫は55歳。お互いに仕事をしていたとはいえ、「家計の話」を切り出すのはなかなか勇気がいりました。
最初は“なんとなくの分担”から始まりました。家賃は私、食費は夫。
それに加えて、夫が「夫婦の楽しみ」として毎月10万円を旅行貯金に積み立ててくれていました。
外食のときは「今回は夫、次は私ね」といったゆるいルール。
お互いに遠慮と気遣いが混ざった“再婚家計”でした。
あれから9年。
夫は年金生活に入り、私は正社員として働き続けています。
家計の形も、気づけばすっかり変わりました。
現在の家計構造|夫婦で支え合う60万円のリアル
夫は7年前に長年勤めた職場を退職しました。
その後3度転職し、最後の数年は某組合の役員を務めていましたが、遠距離通勤(片道2時間)と人間関係のストレスが重なり、ついに退職を決意。
今は年金生活に入りましたが、光熱費や固定資産税、駐車場代などを変わらず負担してくれています。
私の手取りは月32万円ほど。
夫の年金は月25万円ほどで、加給年金が3万円ほど上乗せされています。
合わせて世帯収入はおよそ60万円弱。一般的には平均より恵まれているかもしれませんが、住宅ローンや生活費、老後のための資産形成費用を考えると「思ったより余裕はない」というのが正直な感想です。
支出の内訳|“見えない固定費”と“未来への投資”
毎月の支出を改めて並べてみると、「よくこれでまわっているな」と自分でも思います。
ざっくりですが、こんな感じです。
| 項目 | 金額(目安) | コメント |
|---|---|---|
| 住宅ローン | 約10万円前後 | 残り26年。79歳で完済予定。長いけれど“安心のための家賃”と割り切り |
| 管理費・修繕積立金 | 32,000円 | 年々値上げが心配。老後も払えるか不安 |
| 電気代 | 夏場12,000円前後 | 節電しても暑さには勝てず。夫が在宅時間長めなので使用量も多め |
| ガス・水道代 | (夫負担) | 支払いは夫担当。助かる部分です |
| 通信費(Wi-Fi+Netflix) | 約5,000円 | 唯一の娯楽。映画を観ながら過ごす週末が癒し |
| NHK・その他固定費 | 年1万円前後 | 地味に出ていくが仕方ない |
| 食費(自炊+弁当) | 約6〜7万円 | 平日はヘルシー弁当や外食、帰宅が遅く料理はほぼ無理 |
| 外食費 | 約3万円 | 土日の昼が定番。夫婦の会話時間として大切な“リフレッシュ費” |
| 日用品 | 約5,000円 | 洗剤・ペーパー類など。月1回まとめ買い |
| サプリ・健康費 | 約4,000円 | 更年期のためにビタミンC・B・DHA・漢方など。診察代込みの“健康保険料” |
| 投資(NISA+iDeCo) | 約123,000円 | 将来への“自分年金”。節約より「お金にも働いてもらう」意識 |
| 雑費・その他 | 約20,000円 | 想定外の支出。美容院やプレゼント代などで消える |
私の支出だけで月26万円前後+投資約12万円、合計すると38.5万円近く。
夫の負担分を含めると、世帯全体で生活+将来資金=約40万円前後が出ていくイメージです。
「見えない固定費」と「未来の投資」を合わせると、思った以上に重たいけれど、それでも続けている理由があります。
投資は“自分を助ける将来の保険”
50代で投資をしていると言うと驚かれることがあります。
でも、私にとってNISAとiDeCoは**「老後の保険料」のようなものです。
iDeCoは月2.3万円、NISAは月10万円。
一見大きな出費に見えますが、「お金にも働いてもらう」**という考え方をしてから、将来への不安が少し軽くなりました。
ローンが残っていても、「老後資金を作ること」と「今の暮らしを守ること」を同時に進めたい。
節約ばかりだと気持ちが疲れてしまうから、未来の安心を“育てる出費”として前向きに続けています。
家計と時間のバランス|「お金より時間が欲しい」と思う日々
夫が退職し、時間に余裕ができた一方で、私は仕事に追われる日々。
帰宅は夜8時を過ぎるのが当たり前です。
本当は自宅で料理を作れば節約になるのですが、疲れ切った身体では気力が残っていません。
「外食に3,000円使っても、翌日が楽なら安い投資」と思うようになりました。
週末は2人で外食。夫は料理をしませんが、「君が作ったほうがおいしいから」と言われると何も言い返せません。
食べながら「次はどこに旅行行きたい?」と話す時間が、今は何よりの楽しみです。
共働き時代とは逆に、“時間のバランス”が夫婦でずれ始める50代。
でも、それを責めずに“現実として受け入れる”ことが、今の私のスタンスです。
更年期と健康費|「お金をかける場所」が変わった
40代後半から更年期の症状が出始め、最近はかなりつらくなってきました。
寝つきが悪い、手や腕の節々が痛む、気分が沈む…。
病院で処方される漢方薬を飲み、月4,000円ほどかかっています。
昔なら「もったいない」と思っていたけれど、今は**「健康に投資するお金」**として納得しています。
若いころは美容や洋服に使っていたお金が、今は健康維持やサプリ代に変わりました。
年を重ねるごとに「節約」よりも「自分の体のケアのための支出」が増えていく実感があります。
「家計の正解」より「納得のバランス」を
9年経って感じるのは、「家計に正解はない」ということ。
夫婦それぞれの収入・価値観・体力で変わるのが現実です。
私は住宅ローンを背負っているぶん、働き続ける責任を感じています。
一方、夫は年金で支えながら、生活インフラを守ってくれている。
お互いの負担は対等ではないけれど、“納得感”があればそれでいいと思うようになりました。
お金の話は、結婚生活の「静かな中心」にあります。
話し合いが苦手でも、感謝を伝えるだけで関係が変わることもある。
家計を見直すことは、夫婦の関係を見直すことでもあるのかもしれません。
まとめ|リアル家計は「数字よりストーリー」
家計の内訳を見せるのは、少し勇気がいります。
でも、「うちもそう」「自分だけじゃない」と誰かが安心できるなら、それでいいと思っています。
お金は数字で見えるけれど、
その裏には生活のリズム・健康の不調・感情のゆれがあります。
50代からの家計は、「削る」より「続けられるペース」をつくること。
完璧を目指さず、夫婦で支え合いながら生きていく。
それが、私の“リアル家計”です。


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